法定相続人じゃないのに、遺産を取得できた事例

ご相談までの背景

相談者の鈴木さんは、亡くなった吉川さんとは年齢も近く、住まいも近かったので、吉川さんは、鈴木さんを実の弟のように可愛がり、鈴木さんは吉川さんを実の兄のように慕っておりました。

ある日、吉川さんは、持病のために、自宅で亡くなってしまいました。

吉川さんは、一人暮らしで、兄弟や両親もいないため、吉川さんの葬儀や埋葬等は、鈴木さんが行いました。

吉川さんと鈴木さんは、親類の関係にはありますが、遠い親戚といった関係でしたので、鈴木さんは、吉川さんの相続人ではありませんでした。
吉川さん自身もこんなに早く亡くなると思っておらず、遺言の作成等の終活を一切行っておりませんでした。

鈴木さんとしては、吉川さん名義の電気等を止めてもいいのか分からないため、よつば総合法律事務所に相談に来られました。

亡くなられた方
(被相続人)
・吉川 篤之介様(仮名・60代)
相続人 遠い親類・鈴木 啓宗様(仮名・50代・市原市五井在住)
遺産の内容 不動産、預貯金

弁護士が入った後

相談で、特別縁故者を知る

鈴木さんは、吉川さんの遺産を取得したいというより、勝手に電気等を止めても問題ないのでしょうか?という疑問を解消したいために、相談に来られました。

話を聞いているうちに、鈴木さんは吉川さんにとって、まさに特別縁故者にあたることが分かりました。

特別縁故者への財産分与のためには、家庭裁判所に相続財産管理人を選任してもらい、その相続財産管理人に吉川さんの財産も債務も調査してもらう必要があります。
そのため、まずは、相続財産管理人の選任の申立てを行いました。

相続財産管理人の調査にも誠実に対応

鈴木さんは、選任された相続財産管理人に対して、財産や債務の資料の提出等の調査に誠実に協力しておりました。

鈴木さんは特別縁故者…でも、どうやって立証?

鈴木さんが、特別縁故者にあたるというためには、例えば内縁配偶者や養親子のように具体的で現実的な交流が被相続人との間にあり、相続財産を分与することが被相続人の遺志にも合致すると考えられる程度に密接な関係があったことが必要となります。

これらの関係性については、鈴木さんが立証する必要があるので、資料等が必要となります。
ただし、被相続人の亡くなる前から特別縁故者の申立てを想定して、資料を残している方は、まずいません。そのため、関係性の立証が困難となる場合が多いです。

実際には、残されていた写真や日記等から鈴木さんと吉川さんの事実上の兄弟のような関係性を立証しました。
鈴木さんは、吉川さんが亡くなった後に関係者への連絡等もしたり、家の掃除も自ら行なっており、その点からも関係性を立証していきました。

結果

結果として、鈴木さんは特別縁故者として認められ、吉川さんの遺産の3分の1以上に相当する財産を取得することができました。

弁護士からのコメント

弁護士に相談に来なければ、鈴木様は、吉川様の遺産を一切取得できませんでした。遺産を取得できることを知った鈴木様は、とても驚いていました。

特別縁故者の制度については、制度自体、一般の方も知らない場合が多く、さらに内縁関係でなかった人も利用できる場合があることは、さらに知らない方が多いと思われます。

万一、事実上の家族のような方が亡くなってしまった場合、特別縁故者の制度を利用すれば、相続人でなくても、遺産を取得できる可能性があります。

特別縁故者の制度は、時間もかかり、資料の準備等専門的な知識が求められますので、専門家にご相談ください。

※本事案は実際のお取り扱い案件ですが、プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で一部内容を変更や省略していることがあります。写真はイメージ画像であり実際のお客様とは異なります。記載内容は当事務所のPRを含みます。

複数人の相続が絡む数次相続の事案で、遺産分割調停の結果、無事に解決できた事案

ご相談までの背景

ご相談者様は、ご両親が亡くなられた後も、兄弟と遺産分割協議をしておらず、ご両親の遺産が未分割の状態でした。このような状態は、今後のことを考えてもよくないということで、ご兄弟と遺産分割についての話し合いを試みましたが、話し合いをすることは困難でした。

そこで、当事務所にご相談いただき、当事務所がご依頼を受けて遺産分割調停を申し立てることになりました。

解決までの流れ

ご両親が亡くなられてからかなりの時間が経過しており、ご両親の遺産の整理及び相続人の調査に相当な時間がかかりました。

ご依頼者様からの話で、相手方と話し合うことは難しい状況でしたので、遺産分割調停を申し立てることにしました。

遺産分割調停では、遺産の範囲、使途不明金、立替金、不動産の評価、特別受益、遺産分割の方法などが争点となりました。

当初は、相手方との意向の差が大きく、調停で解決することは困難かと思いましたが、粘り強く調停を続けていく中で、双方の意向の差が埋まり、無事に調停を成立させることができました。

解決のポイント

相続発生後に、遺産分割をせずに長年未分割状態にしていると、色々と付随問題(不動産の管理の問題、立替金の問題、数次相続、代襲相続など)が発生して、事案が複雑化していきます。本事例は、まさにそのような事例でした。

遺産の範囲の調査や遺産の整理、相続人の調査など遺産分割調停を申し立てるまでにも複数のプロセスがあり、他の事案と比べると、遺産分割調停を申し立てるまでにも時間がかかりました。また、遺産分割調停を申し立ててからも、争点が多く、調整に時間がかかりました。

相続に関するご相談は、早めに弁護士にしていただくことをおすすめいたします。

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亡くなった父が本当に使った?使途不明金について有利に解決!

ご相談までの背景

相談者・宇佐美菊之輔さんは、亡くなった父の宇佐美丞太郎さんの長男でした。丞太郎さんは、奥様(菊之輔さん母)が亡くなられてからは、介護施設や病院にて、暮らしをしていました。

丞太郎さんが亡くなった後に、丞太郎さんの預貯金を調べてみると、生前に多額の払い戻しがありました。

丞太郎さんは、介護施設や病院で生活しており、施設代以外、ほとんどお金はかからない生活をしていました。

丞太郎さんの相続人は、菊之輔さんの他に、二男の宇佐美元徳さん、長女の枡梅十和子さんがいました。

生前の丞太郎さんの預貯金は、元徳さんが管理していました。しかし、生前の多額の払い戻しについては、元徳さんは、「丞太郎さんに全て渡して、丞太郎さんが使った」と言い張っていました。

このままで遺産分割が進まないため、菊之輔さんはよつば総合法律事務所に相談に来られ、遺産分割を依頼されました。

亡くなられた方
(被相続人)
・宇佐美 丞太郎様(仮名・90代)
相続人 長男(相談者)・宇佐美 菊之輔様(仮名・70代・千葉市緑区在住)
次男(相談者の弟)・宇佐美 元徳様(仮名・70代)
長女(相談者の妹)・枡梅 十和子様(仮名・70代)
遺産の内容 預貯金

弁護士が入った後

こちらは、丞太郎さんの生前の介護施設や病院の費用の明細を取得し、丞太郎さんにかかる費用の上限を示し、それ以外は使途不明金として、現状残っている預貯金について、遺産分割にて考慮するように求めました。

簡単にいうと、使途不明金について元徳への生前贈与と同様に扱って欲しいということを求めました。

元徳さん側としては、当初は「丞太郎さんに全て渡して、丞太郎さんが使った」という主張を続けました。埒が明かないため、こちらは遺産分割調停を申し立てました。

遺産分割調停では、看護記録や介護記録等の記載や、他の相続人である十和子さんの協力もあり、さらに調停委員会から元徳側への説得もあり、丞太郎さんが施設代以外で使ったというのは難しいという事実は、元徳側も認めてくれました。

結果として、使途不明金を考慮した遺産分割調停が成立し、菊之輔さんや十和子さんは法定相続割合以上の遺産を取得することができました。

弁護士からのコメント

亡くなった方の名義の預貯金については、他の相続人によって多額の払い戻しがなされていることは多々あります。

これらの預貯金の払い戻しは、使途不明金として遺産分割と合わせて問題となることが多いです。

遺産分割調停では、使途不明金について相続人全員の同意がなければ、遺産分割の内容として取り扱うことができません。

例えば、相続人の1人でも「使途不明金はない!」という主張をすると、使途不明金の問題が遺産分割調停では取り扱わないことになってしまうのです。

使途不明金の問題が遺産分割調停で取り扱わない場合、亡くなった方の預貯金を払い戻した相続人に対して、使途不明金の返還請求をするには、別に交渉あるいは訴訟提起が必要となります。

場合によっては、遺産分割調停と使途不明金に関する返還請求訴訟が同時並行することもあります。ここまでいってしまうと解決までに3年以上かかってしまうことがあります。

今回は、遺産分割調停の段階で、こちらが亡くなった方が「これ以上の金額を使えなかった」という主張や立証(資料の提出)が上手くいったため、遺産分割調停が成立することができました。

使途不明金が問題となる場合には、早期に解決するためには早期の資料の取得が必要になると思います。

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相続人が多い…でも、個別記名方式の遺産分割協議書の利用で早期解決

ご相談までの背景

被相続人は、依頼者の藤倉様の伯父にあたります。被相続人は、藤倉様の自宅の近くで、戸建てを所有しておりました。被相続人は、結婚もしておらず、子どももいませんでした。

そして、被相続人には3人の妹・弟がいました。

被相続人が亡くなったのは約20年前でしたが、そのときはすでに亡くなっていた弟を代襲相続した、藤倉様らは、相続人間で被相続人の預貯金を法定相続分通り分割しました。しかし、被相続人の自宅には仏壇等もあったため、遺産分割協議をして、誰かが相続するということはしませんでした。

そのまま約20年が経ち、その間に妹の一人が亡くなってしまいました。

亡くなった弟の子の藤倉様は、被相続人の自宅の固定資産税を支払っていましたが、また相続が発生するのは良くないと考え、よつば総合法律事務所に相談に来られました。

被相続人の自宅は、価値としてそれほど高い不動産ではありませんでした。「売ってもそこまでにならない」等の考えもあり、遺産分割協議をしないまま現在に至ってしまったようです。

藤倉様のお話では、相続人間は特に仲が悪いわけではありませんでした。ただし、特別仲がいい関係でもないので、お金の話はしにくく専門家に間に入って欲しいというで遺産分割交渉を依頼されました。

戸籍類を取得してみると、被相続人が亡くなった後に被相続人の妹が亡くなっており、その配偶者と子どもが相続人になっている等して、相続人は9人にも及ぶことになっていました。

相続人の調査が終わると、私から各相続人に対して、今回受任に至った経緯等や遺産分割協議へ協力してもらえるような連絡文とともに、藤倉様が被相続人の自宅を相続(取得)するという遺産分割協議書をお送りしました。

今回、相続人が多かったため、遺産分割協議書は個別記名方式のものを利用しました。その結果、ご依頼から2か月で全相続人から遺産分割協議書の返送がなされました。

亡くなられた方
(被相続人)
伯父・藤倉 嘉七郎様(仮名・70代)
相続人 妹1・海原 苑様(仮名・60代)
・藤倉 郁三郎様(仮名・30代・相談者・浦安市舞浜在住)
・熊本 紗月様(仮名・30代)
・藤倉 麟太郎様(仮名・30代)
・富菊 泰臣様(仮名・30代)
・富菊 里琴様(仮名・30代)
妹2(被相続人死亡後に死亡)の配偶者・御子柴 英信様(仮名・60代)
・漆原 百合葉様(仮名・30代)
・御子柴 啓修様(仮名・30代)
遺産の内容 被相続人自宅の土地建物

弁護士が関わった結果

亡くなる順番によって相続人は異なる

遺産分割協議をしないまま再度相続が発生してしまった場合、被相続人の相続人、さらにその相続人が遺産分割協議をする必要があります。

今回のように、被相続人の死後にその妹が亡くなった場合、遺産分割協議が必要な相続人は、妹の夫とその子になります。

逆に妹の死後に、被相続人が亡くなった場合には、遺産分割協議が必要な相続人は、妹の子になり(代襲相続)、妹の夫は相続人ではありません。

亡くなる順番によって、相続人が異なってしまうので、ご注意ください。

早期の遺産分割協議の作成

口頭で遺産分割協議が成立しても、遺産分割協議書への署名捺印が無ければ、不動産の名義変更をすることはできません。

相続人が多くなると、遺産分割協議書の完成も時間がかかることが多いので、早めに早めにに遺産分割協議書を作成すべきです。

弁護士が入った意味

他の相続人への説明や協力の依頼の仕方によって、遺産分割協議書の返送の有無やその早さも変わってきますので、弁護士が入って良かった案件だと思います。

弁護士からのコメント

なお、相続登記が義務化される予定なので、未分割の遺産がある場合には早急に名義変更をされることをお勧めします。


※本事案は実際のお取り扱い案件ですが、プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で一部内容を変更や省略していることがあります。写真はイメージ画像であり実際のお客様とは異なります。記載内容は当事務所のPRを含みます。

どうしても裁判は嫌!解決できますか?

事案の経緯について

被相続人の方が亡くなられ、遺言がなかったことから、残された相続人の方々は遺産分割協議を行いました。

相続人の一人の方は、依頼者が亡くなった被相続人に大変な尽力を行っていたことから、自らの相続分を依頼者の方に全て譲るというという遺産分割協議を行いました。

しかし、しばらく時間が経った後、自らの相続分を依頼者の方に全て譲った相続人の方が、それは間違いであったと強硬に主張してきました。そこで、困った依頼者の方は、どうすればいいかのご相談にいらっしゃいました。

遺産の内容 不動産、預貯金など

解決までの流れ

相手方が強硬に主張してくるのであれば、こちらも徹底的に争う必要があります。

そこで、当時の状況の確認、相続分を譲ったことが間違いではないことの証拠の確認、依頼者の方が亡くなった被相続人のためにどれだけの尽力をしていたかの確認を行いました。そして、裁判になった場合に徹底的に争えるよう、着々と証拠の準備をしていきました。

ただ、状況を確認し、依頼者の方と今後の方針について打ち合わせをしていると、親族同士で徹底的に争い傷つけあうよりも、なんとか相手方を説得して裁判を諦めてもらう方向に持っていこうということとなりました。

そこで、依頼者の方には既に弁護士がついていること、徹底的に争うための証拠を準備していること、相手方の請求は難しいことを様々な手段で伝えました。そ

うしたところ、相手方の説得に成功し、請求を行うことを諦めさせることができました。

弁護士からのコメント

相続人間で裁判所を使った手続きに入ってしまうと、どうしても時間的負担、金銭的負担が発生するだけでなく、親族同士で相手を傷つけ合うこととなってしまいます。

裁判にならずに解決できるのであれば、それが最も依頼者の方のためになることもあります。

ただ、交渉で終わらせるか、裁判で徹底的に争うか、どちらが依頼者の方のためになるかは事案によって異なります。

相続の手続きをどのように進めていけばいいか、お気軽に弁護士にご相談いただければと思います。


※本事案は当事務所でお取り扱いした事案ですが、関係者のプライバシー保護等に配慮し、事案の趣旨を損なわない範囲で事実関係を一部変更している箇所がございますのでご了承ください。

遠方の相続人に対する遺産分割調停も問題ありません!電話会議を利用して早期に解決した事例

事案の経緯について

ご依頼者様は、千葉県に在住されており、他の相続人は、九州など遠方に居住されているケースでした。

ご依頼者様は、相続財産の管理のために、これまでご尽力されており、これからも相続財産を引き継いでいきたいという思いを持っていました。しかし、遺産分割協議がなかなかうまくいかず、また、連絡の取れない相続人もいることから、このままでは解決しないと思いご相談に来られました。

お話を伺い、遺産分割協議をこのまま続けても合意に至るのは難しいと判断して、遺産分割調停を申し立てることを前提にご依頼を頂きました。

解決までの流れ

既にご依頼者様の方で遺産の調査は行われており、相続財産がはっきりしていたので、その相続財産を前提に各相続人に対して連絡を取りました。しかし、やはり、各相続人との調整は難しく、合意に至ることはできませんでした。

そこで、遺産分割調停を申立てました。遺産分割調停は、遠方であったことから、電話会議で行うことになりました。期日の中で、ご依頼者様のこれまでの相続財産の管理状況等を説明したところ、相手方である各相続人は、ご依頼者様が相続財産を引き継ぐことに同意するようになりました。

ある相続人はご依頼者様に相続分を譲渡して、その他の相続人は相続分に応じた代償金を受け取ることで、最終的にご依頼者様が相続財産を引継ぐことで合意に至りました。

なお、調停に出席しなかった相手方については、相続分に応じた代償金を支払うという内容の審判により解決しました。

解決のポイント

相続財産の管理を行っているのは、1人の相続人であることは少なくありません。今回のケースでは、ご依頼者様が相続財産の管理をすべて行っており、土地や建物の相続財産を残していきたいという思いがありました。

他の相続人は、相続財産の管理状況や思いをよく理解しておらず、ご依頼者様の提案が自分達に不利になると考えていたようです。調停の中でその点を丁寧に説明することで、ご依頼者様に相続分譲渡を行う相手方や、ご依頼者様から相手方への代償金での支払いで解決に応じるようになりました。

また、調停に出席せず、連絡の取れない相手方については、調停に代わる審判として、相続分に応じた代償金での支払いという内容で解決することができました。

相続の問題は、相続人間の話し合いのみでは解決することが困難なことがよくあります。同じような悩みを持っている方は、ぜひ一度ご相談していただければと思います。


※本事案は当事務所でお取り扱いした事案ですが、関係者のプライバシー保護等に配慮し、事案の趣旨を損なわない範囲で事実関係を一部変更している箇所がございますのでご了承ください。

不動産の評価をめぐって対立!不動産業者の査定は千差万別!不動産鑑定士による鑑定書を提出して家庭裁判所で希望に近い内容で解決した事例。

事案の経緯について

ご相談者様は、同居していたお父様が亡くなり、その遺産をめぐってご兄弟と争いが生じていました。

ご兄弟からお葬式の際に遺産のことを言われたことをきっかけに早めに弁護士に相談した方が良いと思い、ご相談にお見えになりました。

解決までの流れ

ご相談後受任し、最初弁護士にて他の相続人の方々と交渉をいたしましたが、遺産の一つである不動産の評価(価格)を巡って争いになり、調停を申立てることとなりました。

調停において、こちらの不動産に関する鑑定書を提出し、ある程度こちらの希望に沿った形で調停にて解決させることができました。

弁護士からのアドバイス

相続において不動産の評価(不動産の価格がいくらか?)が争いになり解決できないということは良くあります。

その場合、不動産業者の査定を出したりして当該不動産の価格を決めていきますが、不動産業者の査定価格もピンキリで、同じ不動産でどうしてこんなにも価格が違うのか?と疑問に思うほどの価格差が付くことも日常茶飯事です。

その場合、本件のように不動産鑑定士による鑑定書が解決の糸口として有効になる場合もあります。相続における不動産の価格について困ったことがありましたら、弁護士にご相談ください。


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外国に住んでいても日本で調停手続きが進められる!?

事案の経緯について

ご相談者様は、被相続人が亡くなる前から仕事の都合で海外に居住していたところ、被相続人の方が亡くなり、姉とご相談者様の2人が相続人となりました。被相続人の方の遺産は自宅不動産と預貯金がありましたが、預貯金の額は大きくなく、自宅不動産が遺産の価値のほとんどの割合を占めていました。

自宅不動産にはもともとご相談者様の姉が住んでおり、生前に不動産を自分がもらうという約束をしたと言ってご相談者様には何も相続させず、遺産分割協議を行うこと無く時間が経過しました。

ご相談者様は海外に居住しており、姉と遺産分割協議を行う時間をとることが難しかったことから、一時帰国された際に当事務所にご相談にいらっしゃり、遺産分割協議に関する代理人としてご依頼いただきました。

解決までの流れ

一般的に、遺産分割協議のご依頼を頂いた時、まずは遺産の内容を適切に判断するために財産調査をすることが多く、今回もまずは遺産の調査を行いました。

公正証書遺言の検索を公証役場に対して行ったり銀行に対して預金の取引履歴を取得の依頼をしたりする場合には、実印を押印した委任状や印鑑証明書、住民票を添付資料として求めてきます。

今回のケースはご相談者様が海外に居住していたことから、委任状に実印を捺印して印鑑証明書を添付する代わりに委任状にサインをしていただいた上で、在外公館でサイン証明(署名証明)を発行してもらいました。また、住民票の代わりに在留証明書も合わせて発行していただき、遺産を調査する際に資料として添付しました。

また、遺産分割調停申立後は、基本的には弁護士のみ出席すれば足りますので、ご相談者様は一度も裁判所に赴くこと無く、自宅を姉が取得してご相談者様が代償金を取得するという形で無事解決することができました。

弁護士からのアドバイス

相続人間が不仲である等の理由から遺産分割協議で争いが生じることは多々ありますが、他の相続人の方が遺産分割協議に全く応じなくなってしまった場合、それ以上任意の話し合いでは遺産分割協議を進めることができなくなってしまいます。

そのような状況を打破するためには裁判所に遺産分割調停を申し立てて第三者である調停委員の方を交えて話し合いをすることが有効な手段の1つです。

遺産分割協議がまとまらない大きな理由としては、相続人に適切な相続の知識が備わっていない、あるいは顔を合わせて協議を行うとつい感情的になってしまって話が進まなくなるというのが挙げられると思います。

遺産分割調停では、調停委員から相続の制度を丁寧に説明していただくことができますし、弁護士がつくことでご自身の希望される主張を法的に行うことができるようになりますので、遺産分割協議がまとまらない時には弁護士にご相談いただいた上でどのような方法を取るのが良いか一緒にご検討させていただくのが解決への近道だと思います。

また、本件のように海外に居住しているなどの特別な事情がある場合、手続きを進める上で通常は用いない書類が必要になったり、弁護士が代わりに裁判所に出席する必要が出てきますので、是非一度専門家にご相談されることをおすすめいたします。


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未分割の相続財産に関する相続人である兄弟間の争いを遺産分割協議で解決できた事例

事案の経緯について

本件では、相続開始から1年以上経過していましたが、いまだに遺産分割協議が整っていませんでした。相続人の当事者同士で話をしたところ、主に不動産の評価をめぐって争になっておりました。

姉としては、被相続人と生前同居しており、晩年被相続人が老人ホームに入った際には頻繁にホームに通い身の回りの世話をしているといった事情もあり、法定相続分を超える取り分を主張したい(寄与分の主張)という意向がありました。

妹としては、被相続人の通帳にある支出の説明を求めたい(使途不明金の主張)、(姉だけ通学した)大学の学費等を考慮して欲しい(特別受益の主張)という意向がありました。

なお、遺言はありませんでした。そこで、弁護士が代理して、相手方と遺産分割協議の交渉をすることになりました。

事案の概要

お客様の故人との関係 お客様は故人の姉でした。
相続人の関係 相続人には、被相続人の子2名(姉妹)がいました。相続人2名の間で、遺産分割協議を行いました。
遺産内容 自宅不動産と預貯金

解決までの流れ・時間

弁護士が代理して、相手方と書面と電話で交渉を続けました。半年ほど相手方と交渉をした結果、無事に遺産を分割することができました。家庭裁判所への申立を検討する程、ギリギリの交渉となりましたが、何とか調停前の話合いで解決することができました。

最終的には、不動産の評価を調整して、不動産を当方(姉)が取得し、相手方が預貯金と代償金を得る形で解決をしました。

不動産の評価については複数の査定を取りましたが、総合的に評価して、当方(姉)が2分の1以上の取り分を得たと考えられる内容で妥結に至り、依頼者様(姉)も納得しての解決をしました。

弁護士からのアドバイス

1.不動産の評価はトラブルになり易い

本件でも不動産の評価について、双方から様々な主張が出ました。不動産の評価は、その金額の乖離も大きいことが多く当事者間の話合いでは困難になることが一定数あります。

2.寄与分、特別受益、使途不明金の主張は長期化し易い

法律の定める相続分(法定相続分)を調整する、法的な主張が民法には規定されています。代表的なものは寄与分、特別受益ですが、その評価については様々な解釈、裁判例があります。

今回主張のあった、大学の費用についても、これを特別受益として認める解釈・裁判例も、認めなかったものも双方あります。

第三者を挟まず、当事者間の交渉の段階で、このような主張があった場合に、どのように評価するのかは難しい問題です。

一般には寄与分、特別受益を考慮して欲しいという主張があると当事者の態度が硬化し、紛争が長期化する傾向にあるように思われます。故人の通帳を精査して、使途不明金に関する指摘が出た場合も同様です。

3.遺言が有効

依頼者様(姉)からいただいた、こんなことになるなんて思わなかった、こんなことなら遺言を作っておけば良かったという言葉が印象的でした。

ご指摘のとおり、遺言があれば特に紛争化せず、弁護士にも依頼せず解決できた可能性の高い相続案件であったと思います。

少しでも相続トラブルが予想される場合には、遺言書の作成など、相続が発生する前の事前対策が非常に重要になります。


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亡くなる直前に多額の振込送金!特別受益として遺産分割協議をした事例

事案の経緯について

ご依頼者様は、お母様を亡くされました。法定相続人は、子3名です。

ご依頼者様の希望としては、①お父様が亡くなられる数年前から預貯金が引き下ろされている一方、引き下ろされた日とほぼ同じ時期にほぼ同じ金額が、他の相続人名義の預金口座に入金されていたこと②他の相続人が、お母様から住宅購入資金の贈与を受けていたことが、いずれも特別受益であることを前提に遺産分割を行うことでした。

事案の概要

亡くなられた方 母親
相続人 子3名

解決までの道筋

弁護士は、他の相続人に対して連絡文書を送付し、①②の事実を具体的に指摘してご依頼者様の希望を伝えました。

①の預金に関してですが、他の相続人は、弁護士からの連絡文書を受け取った後すぐに、これが特別受益であることを前提とすることに同意するとの意向を示してきました。

一方、②の住宅購入資金の贈与に関しては、ご依頼者様ご指摘の時期に他の相続人が贈与を受けたこと自体はお認め頂きましたが、贈与を受けた金額はご依頼者様ご指摘の金額よりも少ないから、実際に贈与を受けた金額を限度として特別受益とする内容でしか合意できないとの意向を示してきました。

ご依頼者様は、②の住宅資金の贈与の金額について、証拠がない(当時のご依頼者様の御記憶しかない)ことや、もともと裁判にしたくないという意向をお持ちだったことに加え、裁判にしても、他の相続人が認めない限り、結局贈与金額がご依頼者様のご記憶どおりの金額であったことを示す証拠が必要になることを理解され、他の相続人が示してきた贈与金額が特別受益であることを前提とした内容で合意することとなりました。

解決のポイント

  • 被相続人名義の預貯金口座からの金銭引き下ろしが問題となる事例は非常に多いです。被相続人による引出しなのか、無断引出しなのか(無断引出しであればその引出しされた金銭は遺産に戻されるべきことになります。)、贈与なのか(贈与であれば特別受益や遺留分の問題になります。)が激しく争われることもあります。
  • 本件では、無断引出しではなく贈与であることを前提に遺産分割協議を行うこととなりました。実際に誰に対する贈与であったのかは、他の相続人名義の預金口座の取引履歴をチェックすることにより判明しました。他の相続人名義の預金口座の取引履歴をチェックできたことは(そのようなことができる事案ばかりではありません。)、本件の解決を早めることに役立ちました。
  • 一方、住宅購入資金の贈与については、その事実があったこと自体には相続人の間に争いはないものの、金額に関して認識が異なるということをよく経験します。そもそも、特別受益については、相手方に特別受益があったことを主張する側が立証責任を負うとされており、住宅購入資金の贈与を受けた側が当時の通帳を提出して「贈与を受けたのはこれだけである。」という趣旨の主張をしてきたときは、特別受益を主張する側がそれ以上の証拠を持っていないと、立証が困難であることが多いです。
    ご依頼者様は、その点をよく理解され、費用や時間を要せずに解決することに至りました。

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